神社に一礼

近畿圏内で神社・ラーメンを中心に『明日どこ行こ?』に答えられるブログを目指しています。

今週のお題「怖い話」昔立ち寄った神社のお話

今回はまだ僕がブログは勿論、御朱印集めなどをする前の十年以上前のお話です。本人が怖かったというだけで幽霊とかそういうものは出てきませんので予めご了承下さい。

その日は夏休みでした、今とはまた違う職場に努めていて、その職場は年末年始もお店は営業しているためお盆休みはなし。その代わりに夏休みが有給とは別に3日間頂けるという制度があったんです。

子供は勿論結婚もしていなかった僕にとってそのお休みは格好の旅行休み、それなりに職歴もあり有給も自分の判断でとることが出来たので、2日足して9連休を作りました。
昔から旅行は好きだったんですよね。というわけで、関西を出発し日本海側からぐるっとどこかで折返し、各地を巡り晩は安いホテルに泊まりご当地の居酒屋に行って舌鼓を打つ。そんな優雅な計画を立てていたんです。

多分4,5日目ぐらいだったと思います。来た道を帰るのは面白くない、ということで日本海側から瀬戸内海側へ渡り(余裕があれば)四国へ渡ってそれから帰ろうと考え、そこで南北を縦断したのが岡山県でした。割とこの時点でかなり馬鹿な思いつきなんですが、若気の至りということでご容赦を。

その日は空に雲を見つけるのすら難しい晴天の日、9月半ばとはいえ日は高く、雨の気配すらないカラッとした気持ちのいい日でした。
スマホもなく当時はナビに入力した道順を頼りにひたすら南下するという道程を辿り、というのを聞くと分かる人はわかるかもしれませんね、兵庫から西の南北ってちゃんと道を選ばないとかなり狭い道が多いんです。なかなかバカな事をしていたと今更ながら思いますが、当時はそれが楽しかったような気がします。どうせなら大きな国道を通るより変わったものがあるかもしれない、そんな馬鹿な期待をしながら。

山あいに豊かな川、そして農村地帯が広がるのどかな道といえば聞こえはいいですが、ところどころ険しく、そして狭い山道。もし対向車が来たら数十mバックしなければならないような細い道がずっと走り続けると、ふっと開けた場所に小さな鳥居が見えました。神社の名前は見受けられず。
今から思うとかなり不謹慎なんですが、怖いもの見たさもあってお参りしていこうと考えたわけです。

あるともないとも言えない道を5分程度歩いてたどり着いた神社の第一印象は正直『ボロ。。』。突然お参りしてボロ呼ばわりとかお祀りされている神様にしてみればかなり失礼な話です。

 

御本殿にお参りし帰ろうと思った時、脇にまだ参道が伸びていることに気づきます。枯れ葉が降り積り、しっかりとした舗装もなされていない山道。何があるのかはわからないけど、ついでに登ってみよう。
そんな軽い気持ちで歩を進め、道に向かって歩みを進めたときでした。

足が動かないんです、歩を進めようと太ももに力を入れても一向に動く気配はなし。夏の暑い日でセミの鳴き声が途端に聞こえなくなりました、そして耳鳴り。ほぼ感じることがなかったはずなのに急に吹く向かい風。その日感じることがなかった湿り気を帯び、全身にまとわりつくような風。

進むことも戻ることも出来ず、もし傍から見ている人が居たとすればかなり滑稽だったかもしれません。兄ちゃんが一人、道の真ん中で非常口のポーズをしながら立ち止まってるんですから。

時間はわかりません、数秒か数十秒か、突如周りにこだまするような声。声なのか音なのか。聞こえたと言うよりも直接体に響くようなそんな気がしました、声とも音ともしれぬそれは全身を通り抜けます。全身の毛が逆立ち、毛穴が全部開いたような感覚。
その時途端に足は動くようになった僕は一目散に車へと戻り、脇目も振らず一気に近くのコンビニまで走り去ったというわけです。

これが数少ない僕の怖い、というかなんだったのかよくわからない体験です。神社はそもそも神様のいる場所で、面白半分で、まして変わったものが見れるかもと言うことで訪れる場所では無いため、神様に怒られたのかもしれませんし、ただ単に怖くて足がすくんでしまっただけなのかもしれません。

今から思い返してもそれがどこの神社だったのかグーグルマップなんかで見ても特定が難しいところなんですが、その時の強烈に感じた湿ったような生暖かい風、動かなくなった足、全身の毛が逆立つような感覚はまだ覚えています。もう行きたくないと思う一方で、面白半分でお参りしてごめんなさいと言いにお参りに行きたい、今でも思うひと夏の体験でした。